シャンパン、それはまさにパーティーや特別な瞬間に欠かせない贅沢な一杯です。
煌びやかな泡立ちと華やかな香りが、素晴らしいひと時を演出します。
シャンパンは、フランス北部のシャンパーニュ地方で独特の製法により作られる、まさに高貴なる逸品。
その魅力は、まるで星屑のような泡が舌の上で弾ける瞬間の幸せ。
ひと口飲めば、華やかなパーティーの始まりを感じられるでしょう。
まさに、「シャンパンなしの祝福はただの水に過ぎない」と言われる所以です。
このブログでは、そんなシャンパンの魅力に迫り、一度飲んだら忘れられないその独特の風味やエレガントな香りをご紹介します。
シャンパンで乾杯しましょう!
シャンパンとは
「シャンパン」はスパークリングワインの一種で、なかでも産地や原料となるブドウの品種、製法などが細かく定められているのが特徴です。
産地に関してはフランスのシャンパーニュという地域で造られているのが条件。
また、原料として使用できるブドウは7品種と決まっています。
さらに、製法は瓶内で2度目の発酵により炭酸を発生させてガスを閉じ込める「シャンパーニュ製法」を採用。
そのほかにもさまざまな厳しい条件が定められており、どれかひとつが異なればシャンパンと名乗ることができません。
シャンパンにまつわる話
かつて、シャンパンは泡のない静かなワインとして楽しまれていました。
しかし、17世紀にフランスのシャンパーニュ地方で、天候の関係で発酵が一度止まり、その後再開するという珍しい現象が起こりました。
この結果、瓶の中で二次発酵が生じ、予期せぬ泡立ちが発生しました。
この泡立ちワインは、最初は品質の低いものとみなされ、製造者たちは泡をなくそうと苦労しました。
しかし、次第に泡立ちの魅力に気づく人々が現れ、シャンパンは高級な祝い事のシンボルとなりました。
また、シャンパンの瓶を割ることで船の進水式を祝う「シャンパン・シャワー」も有名ですが、これはナポレオン時代に始まりました。
ナポレオン軍が勝利を祝ってシャンパンを飲み、船にシャンパンの泡をかける習慣が広まりました。
この様に、シャンパンは偶然から生まれた贅沢な一杯となり、数々の祝祭に欠かせない存在になりました。
その後、シャンパンは上流階級や王室に愛され、さらに高級なイメージが定着しました。
特にマリー・アントワネットはシャンパンをこよなく愛し、ヴェルサイユ宮殿でのパーティーで大量に消費されたと言われています。
また、シャンパンの開栓時にコルクが飛ぶ様子は、多くの人に喜びをもたらしますが、実はこの勢いを利用して新たなスポーツ「シャンパン・コルク・シュート」が誕生しました。
コルクを飛ばす距離や正確さを競うこの競技は、シャンパン愛好家たちによって楽しまれています。
シャンパンは、その泡立ちの経緯や歴史的な背景、そして独特な文化を持っています。
シャンパンの魅力
さわやかな飲み口で幅広く親しまれているシャンパン。
美しい泡立ちと豊かな果実の風味が魅力のスパークリングワインです。
結婚式やパーティーのように特別なシチュエーションを彩るお酒としてはもちろん、日常のちょっとした贅沢として楽しむのにも適しています。
フランス料理のコースの1杯目としてだけでなく、普段の食事やちょっとしたオードブルと合わせるなど気軽に楽しめます。
シャンパンの度数
シャンパンの度数はワインと同様に11〜12%程度。基本的にウイスキー・ウォッカ・焼酎・テキーラ・日本酒よりも低いですが、ビールやチューハイよりは高い度数です。
しかし、シャンパンは炭酸が入っており口当たりがよいため、つい飲みすぎないように注意しておきましょう。
ブドウの品種
シャルドネ
「シャルドネ」とは、世界的に幅広く生産されている白ブドウの品種。
もともとはフランス東部のブルゴーニュ地方原産ですが、環境適応能力が高く、日本でも栽培されています。
ピノ・ノワール
「ピノ・ノワール」は、古くからワインに用いられる黒ブドウの品種。
熟成向きで、時間をかければかけるほど芳醇な香りに変化するのが特徴です。
果皮が薄いため、外的気候要因の影響を受けやすく、かつては原産のフランスのブルゴーニュ地方以外では生産が難しいといわれていましたが、最近は日本でも多くの醸造家が栽培に挑戦しています。
ムニエ
黒ブドウの品種として知られる「ムニエ」は、フランス語で「粉屋」という意味。
葉の裏側に粉を吹いたような白い産毛があることから、その名が付けられたといわれています。フランスのシャンパーニュ地方で主に栽培されているのが特徴。
上記のピノ・ノワールの変異種とされており、シャルドネと合わせて、これら3品種がシャンパンの原材料として認められています。
シャンパンの選び方
シーンに合わせた選び方
華やかなシチュエーションの場合は、有名なブランドの商品に注目してみてください。
シャンパンの有名銘柄はTV等で見かける機会が多く、共通の話題として振りやすいのがポイントです。
また、低価格帯の商品も多く、手を伸ばしやすいのも魅力です。
世界中のシャンパン愛好家から親しまれている「モエ・エ・シャンドン」は、パーティーシーンにも欠かせないシャンパンのひとつ。
同じく知名度が高い「ヴーヴ・クリコ」は、未亡人であったマダム・クリコが築き上げたブランドストーリーが有名で、話のネタになるシャンパンです。
また、「クリュッグ」はシャンパーニュの帝王とも称され、特にすぐれたシャンパンとして認められています。
飲みやすさ重視
普段あまりワインを飲まない方と一緒にシャンパンを飲む場合は、甘口のシャンパンがおすすめです。
甘さが加わることで、シャンパンの持つ果実味がより豊かに感じられるのがポイントです。
白桃やアプリコットなど、ブドウ以外のフルーツのニュアンスを楽しめると謳われているボトルもあります。
デザート感覚で楽しめるので、食後に少しだけお酒を飲みたい方にもぴったり。
中華料理やインド料理など、スパイシーな料理との相性がよい点にも注目してみてください。
好みの色で選ぶ
白色
シャンパンといえば透き通る白色の液体が特徴。
日本醸造協会誌の資料によると、90%のシャンパンが白色のモノだといわれています。
原料として主に3種類のブドウが用いられるシャンパンですが、そのうちの2種類は黒ブドウ。
黒ブドウが用いられていても白色に仕上がるのは、搾汁をしたら色素が移らないよう果皮をすぐに取り除いているためです。
商品の種類が多いので、選ぶ楽しみもあります。
迷ったらまずは白色のシャンパンから楽しんでみてください。
ロゼ(ピンク)
華やかな色合いが魅力的なロゼのシャンパン。
主に食前に楽しまれることが多いワインです。
ロゼのシャンパンには複数の製法が存在します。
なかでもアッサンブラージュという製法は、赤ワインと白ワインを混ぜて仕上げる製法で、軽やかな味わいに仕上がるのが特徴です。
製法によって味わいが異なるのもポイント。
シチュエーションやあわせる食べ物との相性を考慮して選ぶのがおすすめです。
味で選ぶ
シャンパンの味は、出荷直前に加えられる糖分の量によって規定されています。
糖分を加える作業のことを「ドサージュ」と呼び、シャンパンの味わいを決定する重要な作業です。
1Lあたりの糖分含有量によって名前が異なります。
加える糖分が少ないシャンパンとしては、極辛口の「エクストラ・ブリュット」が6g/L以下、辛口の「ブリュット」で12g/L以下。
甘口シャンパンに多い「ドゥミ・セック」は32~50g/L以下と定義されています。
近年では糖分の添加を極力抑えた辛口のシャンパンがトレンドになっているのもポイント。
一方で、大昔のシャンパンは非常に甘かったともいわれており、あえて甘口のシャンパンを選んで楽しんでみるのもおすすめです。
香りで選ぶ
シャンパンを選ぶ際には色と味に加えて、香りも重要なチェックポイントです。
一般的に、熟成期間の短めな若いシャンパンにはフルーティーでフレッシュな香りがあり、熟成が進むにつれてふくよかで香ばしい香りが生まれるとされています。
原料であるブドウ由来の香りをはじめ、柑橘系やベリー系の香りに花の香り、酵母の熟成によるトーストやビスケットのような香りを楽しめる銘柄などがラインナップされているので、ぜひチェックしてみてください。
グレードで選ぶ
ノン・ヴィンテージ
シャンパンのスタンダードなグレードにあたるノン・ヴィンテージ。
「ノンミレジメ」とも呼ばれています。
複数の年に造られたワインを、年をまたいでブレンドしているのが特徴。
さらに、瓶詰めをしたあと、最低15ヵ月の熟成が義務付けられています。
まずはノン・ヴィンテージを楽しむことで、そのブランドの基本的な味わいを知るのがおすすめ。
気軽に楽しみたい方にぴったりです。
ヴィンテージ
ヴィンテージはある特定の年に造られたワインだけで完成させたシャンパーニュのことです。
「ミレジメ」とも呼ばれます。
良質なブドウが収穫できた年のみ造られる貴重品。
上級クラスのシャンパンで採用されるか、各メーカーのハイエンドな商品として扱われます。
ラベルにはブドウの収穫年が記載されているのが特徴。
さらに、瓶詰めから出荷まで最低36ヵ月以上の熟成が義務付けられています。
プレステージ
とりわけすぐれたブドウを用いてていねいに造られるプレステージのシャンパン。
プレステージには「威信」という意味合いがあり、メーカーのなかでも特にこだわって作った商品にその名が冠されます。
ブランドの伝統やスタイルを追求するために製造され、利益を度外視した贅沢な造り方をしている商品が多いのも特徴。
ぜひ製法にも注目してみてください。
プレステージではヴィンテージ以上の長期間熟成が施されるのもポイントです。
特別なときに飲むべきシャンパンを探している方におすすめです。
コスパ重視おすすめ5選
ポメリー ブリュット・ロワイヤル
まろやかでコクのある口当たりを堪能できる
1874年に世界で初めて辛口シャンパンを考案した歴史あるメゾン「ポメリー」。
本銘柄は、選りすぐりのシャルドネとピノ・ノワール、ムニエをバランスよくブレンドして仕上げたポメリーを代表するブリュットシャンパンです。
緑がかった淡い黄色に、クリスピーな泡立ちが特徴。柑橘類や白い花のようなフレッシュな香りに、まろやかでコクのある口当たりを楽しめるエレガントな1本です。
ポルヴェール・ジャック シャンパーニュ ブリュット
丸みのある口当たりに果実味あふれるジューシーな味わい
銘醸地として知られるタリュ・サン・プリ村の黒ブドウをペースにして造られた、香り高いブリュットシャンパン。梨や白い花のようなフルーティーな香りに、ヘーゼルナッツやローストアーモンドのような熟成香が重なった、深みのある香りが魅力です。
丸みのある口当たりに果実味あふれるジューシーな味わい、さらに豊かな後味の余韻を長く楽しめるのもポイント。食前酒としてはもちろん、食中酒としてもおすすめです。
ボーモン・デ・クレイエール グランド レゼルヴ ブリュット
フルーティーかつリッチな味わい
シャンパーニュ地方の中心に位置する小さな村、マルドゥイユの熱心なブドウ栽培者たちによって1955年に創業された「ボーモン・デ・クレイエール」。完全自社生産を貫き、徹底した品質管理によって上質なシャンパンを造り続けている人気のメゾンです。
本銘柄は、国際的なコンクールで数々の受賞歴を持つ、実力派のブリュットシャンパン。グラスに注ぐと、きめ細やかな泡とともにスモモや梨、柑橘類のような豊かな香りが立ち上がる芳醇な1本です。
味わいはフルーティーかつリッチで、すっきりとした後味も魅力。食前酒にはもちろん、食中酒として楽しむのもおすすめです。
ボーモン・デ・クレイエール グラン・ネクター
甘口ながら飲み飽きしないクリアな味わい
ムニエを主体にピノ・ノワールとシャルドネをブレンドし、じっくりと熟成して仕上げたドゥミ・セックシャンパン。白桃やアプリコットのようなフルーティーな香りに、ビスケットやアーモンドのような熟成香がやわらかく調和しているのが特徴です。
甘口ながら飲み飽きしないクリアな味わいもポイント。焼き菓子などに合わせてデザート感覚で楽しむほか、食中酒としてスパイシーな料理と合わせるのもおすすめです。
シャンパーニュ・グルエ ブリュット・ロゼ
ピノ・ノワールで造った果肉の白ジュースに、華やかな香りのシャルドネ、オーク樽で熟成させたピノ・ノワールの赤ワインをブレンドして仕上げたロゼシャンパンです。果実の甘酸っぱい香りが漂い、口に含むと、豊かな酸味と長く続くフレッシュな余韻を楽しめます。
しっかりとした味わいで、さまざまな料理と好相性。サーモンなどの赤身の魚や肉料理、赤い果実を用いたデザートなどとのペアリングをぜひ楽しんでみてください。
高級銘柄おすすめ5選
G.H.マム マム グラン コルドン
乾杯酒としてだけでなく料理とのペアリングも楽しめる
芳醇な香りが漂うピノ・ノワールを中心に、シャルドネとピノ・ムニエを厳選ブレンドした果実味あふれるシャンパン。グラスの底から立ち上がるきめ細やかな泡ときらめく黄金色が特徴です。
熟したピーチやパイナップルのようなみずみずしい香りにバニラとカラメルのほのかな香り、ハチミツやドライフルーツのやさしい香りが広がります。
やや辛口ながら、おだやかな甘みとやわらかな酸味もあわせ持つ複雑な味わいも魅力。乾杯酒にはもちろん、白身の肉類や魚料理とのペアリングを楽しむのもおすすめです。
モエ・エ・シャンドン モエ アンペリアル
長く続くフレッシュな余韻を楽しめる1本
1743年に創業された老舗の高級メゾン「モエ・エ・シャンドン」。本銘柄は、1869年に誕生して以来、世界中のファンを魅了し続けている代表的なブリュットシャンパンです。
青リンゴや洋梨のような香りに花のやわらかな香り、さらにブリオッシュやシリアルのような香ばしい熟成香が特徴。しなやかで芳醇な口当たりに、長く続くフレッシュな余韻を楽しめる1本です。
シャルドネにピノ・ノワール、ムニエと3種類のブドウが見事に調和したエレガントな味わいは、前菜・メイン・デザートまであらゆる料理と好相性。自宅用にはもちろんパーティーやイベントに飲んだり、大切な方へのプレゼントとしたりするのもおすすめです。
ジャカール ブリュット・モザイク
料理の味を引き立てる食中酒におすすめ
1964年に創業された「ジャカール」。エール・フランスやブリティッシュ・エアウェイズなど世界の航空会社にもオフィシャルとして採用されている、有名な大手シャンパンメーカーです。
本銘柄は、3~4年もの長期熟成による、凝縮した果実味が魅力のブリュットシャンパンです。原料には、1000以上ものブドウ生産者の協同組合から厳選したブドウのみを使用。シャルドネを中心に、ピノ・ノワールとムニエをバランスよくブレンドしています。
グラスに注ぐと、白桃や洋梨のような香りにアーモンドのような香ばしい熟成香が豊かに立ち上がる1本。パンチのある爽快な口当たりとふくよかな味わいで、料理の味を引き立てる食中酒におすすめです。
パイパー・エドシック エッセンシエル キュヴェ ブリュット
数多くの賞を獲得した実績のある銘柄
1785年に創業した「パイパー・エドシック」。かつては、フランス王妃マリー・アントワネットに献上され、女優マリリン・モンローなど数多くのセレブに愛飲されていたことでも知られる老舗のメゾンです。
本銘柄は、ピノ・ノワールを中心にシャルドネとムニエをバランスよくブレンドし、さらに少量のリザーブワインを加えて4年間じっくりと熟成させた贅沢なエクストラ・ブリュットシャンパン。国際的なコンクールで数多くの賞を獲得した実績のある銘柄です。
白い花やリンゴ、生のアーモンドのような気品のある香りにフルーティーな味わいが魅力。ぜひ、トマトやチーズを用いた前菜、魚介料理などとのペアリングを楽しんでみてください。
ドン ペリニヨン(Dom Pérignon) ヴィンテージ 2010
高級シャンパンの王道「ドン ぺリニオン」。ヴィンテージに徹底的にこだわり、納得のいくブドウが収穫できた年にのみに造られる上質なシャンパンです。
本銘柄は、2010年に採れたブドウを使い、10年に近い歳月をかけてじっくりと大切に熟成させたヴィンテージシャンパン。グラスに注ぐと完熟したトロピカルフルーツのジューシーな香りが立ち上がり、口に含むと豊潤な果実味と重厚感のあるコクが広がります。
スパイシーな風味にミネラル感のある心地よい余韻を楽しめるのも魅力。「奇跡のヴィンテージ」と称されるほどのクオリティーに仕上げられた1本を、ぜひじっくりと堪能してみてください。
まとめ
シャンパンは、優雅な時間を過ごすことができるお酒です。
味・色・グレードなどで種類が分けられ銘柄によって個性があるため、選ぶ楽しさもあります。
ぜひ、お気に入りを探し、至福の時間をご賞味ください。
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