辛口日本酒、それはまさに和の心を感じさせる、深い味わいの世界への招待状です。
日本古来の醸造技術が生み出す、その繊細な味わいと透明感は、飲むひとつひとつに新しい発見があるでしょう。辛口日本酒は、お米の旨みを最大限に引き出し、繊細でクリアな味わいが特徴です。
その魅力は、まるで夜空に輝く月の光のように美しく、舌の上で滑らかに広がります。ひと口飲めば、「和の洗練」という言葉がふさわしいことがわかります。
このブログでは、そんな辛口日本酒の魅力を存分にお伝えし、その深い味わいやエレガントな香りをご紹介します。辛口日本酒で心も体もほっこりしましょう!
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辛口日本酒とは
糖分が多く含まれていれば甘く感じられ、糖分が少なければその分酸味を感じやすくなるので辛く感じます。
日本酒度は「+(プラス)」であれば辛口、「-(マイナス)」であれば甘口となります。目安としては+1.5~3.4までは「やや辛口」、+3.5~5.9は「辛口」、+6以上が「大辛口」、そして+10を超えるものは「超辛口」に分類されます。
辛口の日本酒にまつわる話
日本酒は古来、神々への供え物や祝い事に使われてきましたが、その中でも辛口日本酒は珍しい存在です。実は、辛口日本酒は近代以降の技術革新によって生まれたもので、古くは甘口の日本酒が主流でした。
江戸時代になると、都会の人々の好みが辛口に変わり始め、酒造家たちは味を濃くし、辛口の日本酒を作る技術を開発しました。この技術革新は、日本酒の製造過程で使用される酒造好適米の精米歩合を高め、お米の旨みを引き出すことに成功しました。
また、辛口日本酒は、昔から日本の武士たちに愛されていました。武士たちは、戦の前や勝利を祝う際に辛口日本酒を飲み、その力強い味わいで勇気を奮い立たせたと言われています。
辛口日本酒はその透明感が高く、清涼感に溢れるため、夏場の暑い日にもぴったり。日本の風物詩である花火大会や盆踊りなどのお祭りで、冷たい辛口日本酒を楽しむ光景は、まさに日本の夏を象徴しています。
さらに、辛口日本酒は食事との相性も抜群です。和食だけでなく、洋食や中華料理ともよく合うため、幅広い料理と共に楽しむことができます。特に刺身や寿司、焼き魚などのシンプルな味付けの料理には、辛口日本酒のすっきりとした味わいが引き立て役となり、食事を一層楽しむことができます。
辛口を選ぶ際のポイント
- 産地
- 種類
- 味や口当たり
- 香り
- 用途
産地で選ぶ
日本酒は、醸造に用いられる米と仕込み水によって味わいが異なります。なかにはその日本酒の産地で取れた米や水を使っているものもあるため、日本酒を選ぶ際は土地ならではの素材で仕込まれた銘柄も確認してみましょう。
米がたくさん作られている地域や水がきれいな地域には、有名な酒蔵があり、大きく分けると寒い地域は辛口、あたたかい地域は甘口の日本酒が多いです。
種類で選ぶ
日本酒は「特定名称酒」と「普通酒」の2種類に分類されます。そのなかでも「特定名称酒」は、日本酒を原料や製法で区別したものです。この表記を見れば、どのような原料や製法を用いて造られた日本酒かを判断できます。
区別するポイントの1つ目は、日本酒の原料である米と水、米麹以外に「醸造アルコール」という添加物を加えているかどうかです。醸造アルコールを加えていなければ、「純米酒」を名乗れます。
2つ目のポイントは、「精米歩合」です。精米歩合とは、原料となる米をどれくらい削って使用しているかを示すもの。一般的には、多く削って米の中心部のみを使用して造られた日本酒ほど、雑味がなくすっきりした味わいに仕上がります。
吟醸酒
吟醸酒は、米と米麹、水に醸造アルコールを添加して造られた日本酒で、精米歩合は60%以下と決められています。口当たりが軽く、淡麗ですっきりとした味わいが特徴です。
吟醸造り専用の酵母を用いて、低温でじっくりと発酵させることにより、リンゴやバナナのような独特のフルーティーな香りが生まれます。この香りは「吟醸香」と呼ばれ、吟醸酒の最も大きな特徴です。
大吟醸酒
大吟醸酒も、吟醸酒と同じく米と米麹、水に醸造アルコールを添加してありますが、異なる点は精米歩合です。吟醸酒よりもさらに10%多く削った、50%以下の米が使用されているため、吟醸酒よりも洗練されたクリアな味わいを楽しむことができます。
本醸造酒
本醸造酒も醸造アルコールを添加してある日本酒で、精米歩合は70%以下と、吟醸酒よりも磨きの割合が少なめです。純米酒によく似た香りながらも、味わいは純米酒よりもまろやかで飲みやすいものが多いことが特徴です。
純米酒
純米酒は、その名の通り米と米麹、水のみで造られた日本酒のこと。醸造アルコールは添加されていません。なお、精米歩合についての規定はなく、原料が条件に合っていれば純米酒と表記できます。
醸造アルコールを使用していないことから、うまみや香りなどの特徴がより強く感じられる銘柄が多いのが特徴となります。
純米吟醸酒
純米吟醸酒は、純米酒のなかでも、精米歩合が60%以下のものを指します。純米酒らしい濃厚な味わいと、吟醸酒らしいフルーティーで華やかな香りが楽しめます。
特別純米酒と特別本醸造酒
特別純米酒は、精米歩合が60%以下の純米酒であることが定義。また、特別本醸造酒は精米歩合が60%以下の、醸造アルコールを添加した日本酒であることが定義とされます。
区分だけで考えるなら、特別純米酒は純米吟醸酒と、特別本醸造酒は吟醸酒と全く同じです。どちらを名乗るかは、その日本酒のコンセプトによって決められます。
一般的に、「純米吟醸酒」や「吟醸酒」は吟醸らしいフルーティーな香りを重視した日本酒で、「特別純米酒」や「特別本醸造酒」は純米酒や醸造酒ならではの味わいを重視した日本酒です。
また、発酵日数が通常より短かったり、原料の米が通常のものと異なったりと、何らかの特別な製造方法を用いて造られた場合にも、「特別純米」や「特別本醸造」を名乗ることがあります。
味や口当たりで選ぶ
日本酒の味わいは、ただ甘口と辛口といった単純な分け方ができないほど奥深いものです。日本酒度や酸度などを見れば、おおよその味わいの目安はつきますが、香りやアルコール度数といった要素も味の感じ方に大きく影響します。
たとえば、吟醸酒のようにフルーティーな香りのものは、辛口でも口当たりがよいので飲みやすいもの。また、原酒のようにアルコール度数が高いものは辛口でキレのある味わいが楽しめます。
辛口の日本酒といっても、「すっきりとした辛口」や「どっしりとうまみのある辛口」など、味わいはさまざまです。特定名称酒の特徴なども押さえつつ、どんな日本酒が飲みたいか具体的に絞って選ぶと、気に入る日本酒が見つかりやすくなります。
香りで選ぶ
日本酒の香りは、製造方法や原料によって異なり、特に香り高い日本酒として代表的なのが吟醸酒です。果物のように華やかな香りが人気で、海外でも高い評価を得ています。
一方、本醸造酒や生酒などは香りが控えめで、その分キリッとした淡麗な味わいをダイレクトに楽しめるのが特徴です。ほのかに感じられる清々しい香りが爽快感を表現します。
その他、純米酒などコクのあるタイプは、米本来が持つふくよかでまったりとした甘い香りとなります。長期熟成した日本酒は、スパイスやドライフルーツのように複雑で濃厚な香りがあります。
香りによって、日本酒の味わいはさらに深まるため、さまざまな日本酒に触れて、お好みの香りを探してみてください。日本酒初心者の方は、フルーティーな香りの吟醸酒からトライすることをおすすめします。
用途で選ぶ
日本酒を選ぶ際は、自宅用かプレゼント用かで選び方を変えてみましょう。自宅用ならば自分の好みの味わいを探したり、時にはご褒美としてちょっと贅沢な日本酒を試したりと自由に選べます。一方、プレゼント用にする場合は相手の方の好みをリサーチすることが重要です。お気に入りの銘柄やメーカー、好みの味わいが分かれば、相手に喜んでもらえる日本酒が選びやすくなります。目上の方へのプレゼントや、お祝いなどには木箱や化粧箱に入っているものが見栄えが良くおすすめです。
辛口日本酒おすすめ10選
剣菱酒造 黒松剣菱
ほどよい辛みと酸味でお米の旨みを楽しみたい方におすすめ
“肩書きよりも味”をポリシーにしている剣菱酒造の辛口日本酒「黒松剣菱」。辛みと酸味がほどよくブレンドされており、キレがありながらコクがしっかり感じられるのも魅力です。
お米の豊かな風味が感じられるのもポイント。日本酒といえば透明なイメージですが、この黒松剣菱はろ過で味が落ちないように調節されているため、少し黄色がかっているのが特徴です。
旭酒造 獺祭 だっさい 純米大吟醸 45
高級米「山田錦」を贅沢に使用した有名日本酒
人気が高く、今や押しも押されもせぬ有名な日本酒となった「獺祭」。酒造りに最適といわれる高級米「山田錦」を、贅沢にも45%ほど磨いて造られた日本酒です。雑味が少ないクリアな飲み口で、国内外問わず多くのファンがいます。
獺祭を造る際は、ほどよく水分を含ませるために米を手洗いしたり、ちょうどいい硬さに蒸し上げたりと非常に細かな作業が必要です。労力をいとわず丁寧に造られることで、フルーティーで心地よい香りと繊細で優しい口当たりになります。
朝日酒造 久保田 萬寿 純米大吟醸
お祝いの席にもぴったりな新潟の名酒
新潟が誇る名酒「久保田」のなかでも、香り・味ともに最高峰といわれる日本酒。淡麗ですっきりした味わいが感じられる「五百万石」という米を使い、半分ほど磨いて醸造しているため、コク深い味わいが楽しめます。
口に含むと、まず米の持つふくよかで優しいうまみが広がり、そのあとに感じられるキリッとした後味が爽やかです。大吟醸らしい、フルーティーで華やかな香りも魅力的。
越後桜酒造 北鹿 北秋田 大吟醸
どんな料理とも相性がよく淡麗ですっきりとした味わい
秋田の良質な天然水と、米を50%ほど削って中心部のみ贅沢に使用した北秋田。米の持つ風味がしっかりと生きたコク深い味わいで、辛口の日本酒を飲み慣れていない方にも、おすすめしたい日本酒です。リンゴや桃のような甘くフルーティーな香りと、淡麗ですっきりとした後口でどんな料理とも相性良好。特にお刺身やサラダなど、淡い味つけの料理と合わせると、よりおいしさが引き立ちます。
鶴正酒造 古都の雫 純米大吟醸
えぐみや苦みがなくうまみだけが口いっぱいに広がる
酒どころ、京都・伏見で造られた「古都の雫」。厳選した米を半分ほど磨き上げて造った日本酒は、えぐみや苦みがなくうまみだけが口いっぱいに広がります。大吟醸らしいフルーティーな香りで、女性にも喜ばれる日本酒です。
ほどよい辛口の味わいと、さらりとしたライトな口当たりで飲みやすく、日本酒初心者の方にもおすすめ。辛口の日本酒の入門としてもぴったりです。冷でも燗でもおいしく飲めますが、ぬる燗だとさらに香りが引き立つのでトライしてみてください。
吉乃川 厳選辛口 吉乃川
きれいな口当たりで冷酒でもお燗でも美味しく飲める
麹造りから辛口に徹して造り上げられている「吉乃川」。新潟県産米を100%使用し自然の旨みを感じられるのが特徴です。スッキリとした辛口で喉越しがよいため、さっぱりした料理にも味の濃い料理にもよく合います。
きれいな口当たりで冷酒でもお燗でも美味しく飲めるのが魅力。価格も手頃なので毎日の晩酌にもぴったりです。
宮坂醸造 真澄 純米吟醸 辛口生一本
程よい甘さがあり、辛すぎる日本酒が苦手な方にも
辛口ながら柔らかさも兼ねそなえた味わいが特徴の「真澄」。黒ラベルは複数のコンクールで賞を受賞しています。麹の造り方や貯蔵方法などを改良することで、透明感のある味に年々磨きをかけているのが特徴です。
フルーティーな香りで後味がすっきりしているため、グラタンなどの洋食や煮魚などの和食にもよく合います。程よい甘さもあるので、辛すぎる日本酒が苦手な方にもおすすめです。
白龍酒造 特撰大吟醸 笹屋茂左衛門
こだわりぬいたクオリティの高さで、ギフトにも
モンドセレクションで23年連続金賞を獲得している「特撰大吟醸 笹屋茂左衛門」。世界にも認められる味と品質が自慢の日本酒です。越後杜氏が冬の蔵の中で丹精込めて手作りした高級大吟醸酒なので、家族や友人にプレゼントするのにも適しています。
酒米の最高品種といわれる山田錦と越淡麗を38%に高精白し、米の芯だけを贅沢に使っているのが特徴。低温でゆっくり醸すことで芳醇な香りと最上級の味が生まれています。
加藤嘉八郎酒造 大山 藍色ラベル 特別純米酒
飲みやすく、初心者の方におすすめ
さらりとした柔らかい口当たりが特徴の特別純米酒。バランスの取れた味で辛すぎないため、和食にも洋食にもよく合うのが魅力です。江戸後期に確立した十石の米に対して十石の水で仕込む方法を現代に再現して造られています。飲みやすい味なので日本酒初心者の方にもぴったりです。
ラベルの藍色は蔵元のキャッチコピーである「酒は大山 愛の酒」の「愛」に掛けられており、末永く親しまれることを祈願しています。
刈穂酒造 刈穂 吟醸 六舟
爽やかな香りとクリアな飲みごこち。和食のお供に
秋田県で栽培された酒米を奥羽山脈の自然水で醸した吟醸酒。淡麗な味わいときめ細かい旨みが特徴です。グラスに注ぐと爽やかな香りに包まれます。すっきりした飲み口なので、キリっと冷やして飲むのがおすすめです。
軽快な味わいで飲みやすく、和食との相性がよいのもポイント。刺身や天ぷらなどに合わせると、食材の美味しさがより一層引き立ちます。おつまみを合わせずに常温でゆっくり飲むのも良いでしょう。
関連記事
日本酒には辛口と甘口があります。甘口については、関連記事をご確認ください。
まとめ
辛口はキリッとした淡麗な口当たりが印象に残る日本酒です。香り高い吟醸酒や、うまみの強い純米酒など、同じ辛口でも種類によって味わいは異なりますので、ぜひ飲み比べて、お気に入りの1本を見つけてみてください。
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